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第10話 日常よりの使者

Author: 柳 雪音
last update publish date: 2026-06-14 06:15:25

結婚式から、三日が経った。

ワイドショーはまだ騒いでいる。

『神崎家追放花嫁』

『黒蛇会との関係は?』

朝から同じ言葉ばかりが流れ続けていた。

ブツッ。

凛はテレビを消した。

狭いワンルームに、急に重い静寂が落ちる。

肩の傷はまだ疼く。

けれど、それより深刻なのは——仕事だった。

「…退職届、書かなくちゃ」

神崎グループの子会社の事務職。

大学を卒業して二年、そこそこのやりがいを感じながら、真面目に取り組んできた仕事だった。

結婚式の翌日、人事部から届いたメールには簡潔にこう書かれていた。

『自主退職を勧告いたします』

「あれは…銃で撃たれたよりも、痛かったなー。なんちゃって」

おどけるように呟きながら、ボールペンを探す。

「本当に、馬鹿なことしちゃった……」

一年間、神崎家の嫁になる契約。

終わってみれば、実に浅はかな選択だった。

けれど、あの渦中にいたときには、“断る”という選択肢が、本当に見えなかった。

「あー、タイムマシンがあったら、数ヶ月前の自分を全力で殴りに行きたい。目を覚ませー!!って」

凛はゆっくり立ち上がった。

冷蔵庫を開ける。

牛乳。バター。半分残った食パン。

そ
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Comments (2)
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柳 雪音
読んでくださりありがとうございます...... 大変励みになります...
goodnovel comment avatar
雨音休
良い気分!応援しています。
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